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2013年11月 6日 (水)

その先へ飛ぶこと〔29〕

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 六月の第二土曜日にトモヒロのゼミは遠足を行うことにした。三年生と四年生は別々にゼミをしていたが、つながりを持たせようということでこの時期に行っていた。最初は唐津、次は大牟田としたが、今年は門司港まで行くことにした。三年生は十二人、四年生は十一人だが、四年生は就職活動で落ち着かないということもあって四人、三年生もクラブ活動を理由に参加しない者もいて九人だった。

 集合は博多駅である。トモヒロは大学前のバス停から駅に直通するのに乗った。博多駅の中央通路にある券売機で特急も利用できる切符を購入した。小倉・博多間を普通に買うよりも安くついた。小倉と博多の間は特急料金が500円だが、この切符は230円分で、しかも門司港まで乗れた。

 大分に向かう特急「ソニック」は白い車体に黒い窓、運転席の部分に青いアクセントがついていた。一行は先頭車両に乗り込んだ。運転席の後ろは白いスモークガラスと思ったら発車直前に視界が効くようになった。しかし、座っていると架線と空しか見えないという感じである。

 革張りのシートは少しリッチな気分になるシートだった。熊本に帰省するときに乗る特急「つばめ」も落ち着いた内装になっていて高速バスとの競争を意識していると感じた。スピードも最高130キロで四月に起きた尼崎での事故が頭をよぎったりしたが、高層住宅や田園があっという間に流れ去るのは爽快だった。

 スペースシャトルや急角度のジェットコースターがある遊園地を右に見ると、今度は左に赤く塗られた吊り橋が見えた。ホームの上に駅ビルがのしかかる小倉駅に着くと乗り換えのために同じホームの向かい側に止まった電車に乗り換えである。座席は既に埋まっていて運転台のすぐ後ろに陣取った。

「それにしてもこの電車、赤が目立つなぁ」

 トモヒロが呟くとゼミ生の一人が「事故った時に血の色を目立たなくするためじゃないですか」と応じた。概観は銀色が主だが、ドアは赤、シートも赤なのは会社のコーポレートカラーに合わせたのだろうと思ったが、学生が言うのも一理あるかもしれなかった。

 

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