« 四箇田団地です | トップページ | 都知事がピンチ など »

2013年11月22日 (金)

その先へ飛ぶこと〔45〕

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 新北九州空港のターミナルビルの展望レストランでトモヒロは妻と娘と少し遅い昼食をしていた。三月に開港した新北九州空港は、関門海峡の土砂を処分して作った人工島である。六月最後の日曜日、トモヒロは月曜朝に東京で行われるフォーラムに出るためにS航空に乗ることにした。

 大学には研修願という形で月曜日を休むことにさせてもらった。ビジネス日本語の授業は後で補講である。経団連会館で月曜の朝九時から行われる「北部九州の航空交通体系」というシンポジウムにトモヒロは「貨物」の分野のパネリストとして名を入れてもらっていた。

 朝十時に家を出て博多駅から特急電車で小倉駅に行き、空港行きのバスに乗り継いだ。トモヒロが乗るのは開港と同時に運航を始めたS航空である。J航空も就航していたが、往復割引の適用が受けられるS航空を選んだ。A320の定員を少し減らしてゆったりさせた革張りシートが売り物だった。

 まずチェックインをして展望レストランに入った。飛行機の出発は午後三時過ぎである。周防灘を見ながらカレーのセットを食べているとJ航空のA300が到着した。S航空が一日12往復飛ばしているのに対してJ航空は四往復である。便数が少ないのを座席数300でカバーし、S航空と近い時間帯は割引率を大きくしていた。

 レストランを出ると売店に入ってS航空のロゴが入ったボールペンやミニチュアの飛行機、さらに空港に近い町の饅頭などを買った。「じゃあ気をつけて」と妻と娘に言われてセキュリティゲートをくぐった。羽田行きの便がちょうど入ってくるところだった。機材の回転をよくするため到着して三十分で折り返すということになっていた。

 トモヒロの席は左主翼の少し前である。プッシュバックされるとターミナルとは反対向きになった。誘導路に向かうために反転したら送迎デッキで妻と娘が手を振っているのが見えた。機体は滑走路の北端に向かった。海面をはさんで北九州市東部の山々が見えた。関西とのフェリーが発着するところが見えるとユーターンして滑走路に入った。

 離陸した飛行機はすぐに左に旋回した。航空自衛隊の築城基地があるため、空域が重ならないようにするためだった。海面がどんどん遠ざかり、山口宇部空港も目に入った。本当に狭いところに飛行場が乱立している感じである。機体は右に傾いて松山空港の上空へ向かった。

 

|

« 四箇田団地です | トップページ | 都知事がピンチ など »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: その先へ飛ぶこと〔45〕:

« 四箇田団地です | トップページ | 都知事がピンチ など »