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2013年10月 1日 (火)

ロンゲストマーチ(31)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 国語は古文が難しかった。小説のときは「刃を振りかざして吹きつけてくる風」「体当たりを食らわしてきた風」で主人公は何のクラブ活動かという問いで「剣道部」とどんぴしゃりだったことがあったが、いいときと悪いときの差が激しいのが難点だった。数学も計算問題はいいが、図形で苦しむことが多かった。

「調子どう」

 昼休みに岡部のいる教室を覗くと彼は理科の参考書を広げていた。予科練ルックのスタイルは他の者から超然とした雰囲気を持っていた。変に切りかかると抜き打ちでヘソのあたりで上下に両断されるかもしれなかった。栄作は結局部内対決で一度も彼には勝てなかった。打つ呼吸を悟られないように面を狙っても胴をバッサリ抜かれた。

「自己採点しないと何とも言えないなぁ」

「公民は新聞を読むのが一番かなぁ。どうもスポーツ欄しか」

 栄作がそう言うと岡部は鼻息を強めた。邪魔しないでくれというような心理と思って栄作は教室を出た。九月くらいと違って教室は少しずつ受験生という状態になりつつあった。小学校で一緒だった者も理科の暗記に必死である。

 

 英語が終わって模範解答を受け取ると栄作はすぐに教室を出た。階段を下りたら平田と出会った。彼も私服である。T高校を目指していて今のところは五分五分の状態だった。

「どういうルートで戻るんだ」

 平田の問いに栄作は西小倉まで行くと応じた。

「新中原まで歩いてそこから乗っても値段は同じみたいだよ」

 新中原はQ工業高校から五百メートルほど西にあった。平田の路面電車の定期券と区間外乗車の料金と国鉄で新中原・八幡を利用した場合の値段は変わらないということがわかった。栄作は平田と一緒に新中原のほうに向かって歩き出した。

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