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2013年10月24日 (木)

ロンゲストマーチ(54)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 日曜の朝八時過ぎでも野球部は登校していてグランドのほうから準備体操の号令が聞こえた。2組には野球部はいないが、4組には竹村の他二人いた。引退してから髪を伸ばしはじめたが、禿頭の家系の井原は全然伸びなかった。そして「メンデルはヤッパリ正しかった」と言われていた。

 鞄を机に置いた栄作はトイレに足を運んだ。校舎東側のトイレは9月から改修工事がはじまって土曜日に終わったばかりだった。工事の間は講堂のトイレが臨時に開放された。壁は女子がピンク、男子は淡いグリーンになった。個室二つは以前と同じである。一階のほうも五つだが、洋式は採用されなかった。

 個室の壁が板張りになって下に隙間ができているのはどこででも見かけるタイプである。栄作は手前のほうに入って黒ズボンとパンツをドアの金具にかけた。古い便器は水溜りの中央が白から茶褐色に変色していたが、真新しいクリーム色の便器は天井の照明が変わったこともあってキレイに輝いていた。

 茶色いバナナは二本で終わった。栄作はゆっくり占有できるのでしゃがんだまま、「夢精防止」に搾り出しを行った。外に飛び散らさなかったのを確かめて荒れた息を整えていると隣の個室に誰かが入った。ドアにかけたズボンを履いているとベルトを外す音に続いてポチャリと水が撥ねる音がした。

 水を流すとかなりの勢いでこれなら多少のものは残ることないだろうなと思った。手を洗っていると隣でも水の流れる音がしてドアが開いた。出てきたのは岡部である。「流れ損なってないよな」と栄作が聞くと「前より水圧上がっているな」という返事だった。わざと見せびらかそうと流さない奴ならば新しくしても残すはずだった。

「志望校はどこにするんだ」

 栄作が尋ねると岡部は「国立大の法学部」と答えた。

「国立って旧帝国かぃ」

「TやKはチョット、Qより一つ上あたりかな」

 岡部が9月の模試で予想された共通一次の得点は1000点満点で850点だった。Tは二次の出来次第、Kは危険ライン、Qは安全圏である。 

 

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