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2013年10月19日 (土)

ロンゲストマーチ(49)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 西小倉駅から歩いてK高校まで通うのは三年生になっても同じだった。大門で路面電車が戸畑と八幡に分かれるところに四両の赤い電気機関車が留置されるようになって半年が過ぎた。番号は全く同じで使っていないんだなと栄作は思った。真っ赤な車体がピンク色、そして白みがかってきている姿に「もののあわれ」を感じた。

 文化祭前日ということで授業はなく、教室の机を体育館に移す作業をはじめとする会場作りの日だった。栄作は三年二組の文系クラスである。中間テストの答案が返ってきて数学や化学は赤点寸前でクリアした。全体の順位は200番前後のままである。そろそろ大学受験のことも考えないといけないが、野球の応援がいつまであるかが鍵だった。

 昇降口から三年生の教室に行く階段を上がっていると大便がしたくなった。一年・二年のときはスロープの部分からトイレに入ったが、今は廊下からである。五つある個室はすべて使用中だった。どこが開くか待っているとN中で二年下だった者が入ってきた。彼も剣道部で高校では応援団に入った。N中からは25人がK高に来て3人が応援団、一人剣道部に入った。

「お先にどうぞ」

 一番手前が空いたので後輩が栄作に譲った。出てきたのは二年の野球部員である。直径四センチはある塊の後ろ二十センチが前の水溜りに引っかかっていた。隣でも水を流す音がして後輩が入った。ベルトを外す音としゃがんだ気配があってすぐに水溜りに大きな塊が落下する音が聞こえた。「流れないなぁ」という呟きが聞こえて栄作は尻を拭く手を止めた。

「太さと長さどのくらいだ」

 栄作の問いに「直径は五センチで長さは三十センチくらいです」と答えてきたので苦笑した。栄作は「バナナより大きいな」と返した。誰かが水を流して出て行った。栄作はしゃがんだまま白い粘液を搾り出した。バナナ三本分を流すのに苦心しているようにレバーを何回か押した。 

 

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