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2013年10月 6日 (日)

ロンゲストマーチ(36)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 正門に面した校舎の二階部分では特別企画として「占い」「体力測定」が行われていた。ここは三年生の教室になっているため、普段は足を踏み入れるのもはばかられるような雰囲気である。クラス映画のあと、再び岡部と顔を合わせた栄作は「体力測定」のある3年2組の教室に足を踏み入れた。握力、背筋力、肺活量を測定して栄作は握力では岡部に勝ったが、後の二つは負けた。

「肺活量は悔しいなあ」

「切り返しや掛かり稽古を一呼吸でやるようにしていたらこうなるよ」

 応援団では大きな声を出すのにもっと鍛えないといけないなと栄作は思った。ふと廊下を見ると見知らぬ男が文化祭を見に来ている小学生と思われる女の子に声をかけていた。

「怪しい人がいるんだけど」

 栄作はそっと岡部に囁いた。岡部が幼い女の子にしか興味ないのではないかという疑念は中二の頃からあったが、彼が小学校高学年くらいの少女に見向きもしていないのは確かだった。

「おうおう。今日は文化祭見に来たんか」

 校舎全体に響き渡りそうな声がした。在学中は応援団だった数学の先生で、野球部の副顧問をしていた。どうやら「不審者」は卒業生で近くにある大学の医学部のようだった。

 昼食は体育館に教室から移動させた机と椅子で作った大食堂で済ませた。カレーとチョコレートケーキは合わせて500円である。午後からは講堂で「みんなで歌おう」だった。講堂は入学式そして新入生の通過儀礼となっている「応援練習」に使われていた。座席は千五百人分あり、後ろのほうは階段状になって音響効果を狙った作りである。

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