« 東日本大震災(2122) | トップページ | 建て替え前の旧小倉駅ビル »

2013年9月26日 (木)

ロンゲストマーチ(26)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 武道館では既に大塚が着替えを済ませて地元の者と談笑していた。彼にとってはここがホームタウンなんだなと栄作は思った。中学のチームだけでなく、道場もあるのは自衛隊のときと同じである。違うのは中学生だけで小学生はいなかった。福原の父が「女子コートでの審判が一人足りなくなった」という急な依頼を受けていた。

 大会は男女合わせて80チームが集まった。栄作たちは最初に校名が同じN中と当たることになった。少し変な気分だが、背中に赤い標識をつけて互いに礼をした。栄作の相手は背丈はほぼ同じである。向こうもおそろいの胴でワインレッドに金色の校章がついていた。

 福原が進み出て。激しい攻防の末に小手一本で勝利した。栄作は立ち上がりに面を取りに行って胴を抜かれた。それで小手・面を軸に切り替え、鍔迫り合いに持ち込んで引き胴で取り返した。そのまま時間切れになって次は大塚である。こちらは互いに有効打がないままに引き分けた。

 斎藤は引き分け狙いが災いして消極的な剣道になっていた。時間半ばに小手を狙われたのを面に抜こうとして胴に切り込まれた。そのあとは一本負けの状態で岡部に勝負が託された。相手は小柄だが、横に大きく、小手や胴が上手そうだった。それは岡部も重々承知のようである。

 遠くから面に飛んだり、喉元ぎりぎりまで剣先を近づけてみたり、時間はどんどん過ぎていた。2人は何かの拍子で鍔迫り合いの状態になった。岡部が足で左右にかき乱し、相手が押し戻そうとしたのをバチーンと派手な音を立てて胴を打ち、サッと間合いを開けた。バラバラと審判の赤旗が上がった。

 その次の相手はT中である。下関地区では強豪の一つと大塚は言った。ここは全員が水色の胴をつけていた。栄作の相手は背が高いが、細身で持久戦に持ち込めば何とかなるだろうと思った。待ち時間の間に昼食ということで用意された幕の内弁当を食べた。大塚や齋藤は女子のコートに見とれていたが、岡部は気にも留めていない様子である。

|

« 東日本大震災(2122) | トップページ | 建て替え前の旧小倉駅ビル »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ロンゲストマーチ(26):

« 東日本大震災(2122) | トップページ | 建て替え前の旧小倉駅ビル »