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2013年9月 8日 (日)

ロンゲストマーチ(8)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 茶色い封筒に入っていたのはN中学校のパンフレットと受験願書である。N中学校は一駅隣の城野から北に500メートルくらいのところにある私立で、紺色にボタン七個という制服に特徴があった。塾のOBも何人かいて電車またはバスで通っていた。ここは三年前に一期生が入ったばかりの新しい学校で、N高校は何故か40キロほど離れた飯塚にあった。

「ここは付属中に受かる力があれば十分なので、もし付属が駄目だったらここにするというのもあります」

「中学と高校が一貫となっていて高校は全員が寮に入らないといけませんが、中学と高校の六年分を五年で仕上げて最後の年は大学受験に専念します。高校入試のエネルギーをその分大学に向けるということです」

「女子はいませんが、それもあって体育では全員が剣道をやるというようになっています。今のところクラブは剣道だけのようです」

 先生の説明に栄作はここに入ったらK高校を目指すことは出来るのだろうかと思った。それから野球部がないというのも気になるところである。栄作はこの二点を尋ねてみた。

「何人かどうしてもK高校へ行きたいと言って、不合格だったらN高校へ行くという条件で受けたようです。学校はM女子高の敷地内にあって、グランドはそんなに広くないので野球部はありません。剣道部も女子高の体育館でやっているそうです」

 女子高の敷地内に男子だけの中学とはどういう環境かと栄作は思った。校内では白い作業着のような服装で過ごすようである。七つボタンの制服は日本海軍の予科練という飛行機乗り養成のコースのもので、白い作業着もそこから来ているのは設立者が予科練にいたからとも説明された。

 親にも見せて相談してくださいと言われたが、栄作は野球部がないのだけが心にひっかかっていた。付属が駄目ならS中に行く、N中はあくまで腕試しということで栄作は家路についた。

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