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2013年9月22日 (日)

ロンゲストマーチ(22)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 時間が限られているため、三イニング出来れば上々だった。三浦と広川にホームランが出てさらにノーアウト満塁の状態になったとき、山田が「俺が投げる」と言い出した。キャッチャーは栄作である。前年の日本シリーズで広島の江夏豊が近鉄との勝負で同じ状態を無失点で切り抜けるという快挙があったが、ここはどうなるかと期待が膨らんだ。

 山田はピンクのゴムボールをアンダースローで低めいっぱいに投げてきた。初球は平田が「ストライク」をコールした。二球目は膝元ぎりぎりでボールになった。山田は不満顔を見せたが、すぐに外角に構えろという仕草をした。栄作が位置を移すとストライクからボールに流れるコースで空振りを取った。もう一球外角に投げて内角低めをつく球で見逃し三振を取った。

 二人目には外角をセカンド前に転がされた。一塁ランナーはアウトになったが、一塁への送球が少しそれてダブルプレーにはならず一点失った。山田は苦笑しながら次のバッターにも低めのコーナーをつく配球で三塁ゴロに仕留めた。そこで昼休み終了五分前のチャイムが鳴った。

「普通はダブルプレーなんだろうなぁ」

 教室に向かいながら平田が栄作に言った。栄作は「野球部なら当然だろ」と応じた。昼休みにソフトボールをする者は球技には自信のある者ばかりで、本気で野球をすればまったく問題なくやれるはずである。

 昼休みのあとは国語の授業である。辻邦夫の「夏の海の色」で剣道部が題材になっていて面抜き胴を決められたお返しに突きをやったら痛い思いをさせてしまったというのが印象に残った。本当は年上の女性との恋愛感情なのだろうと思いつつ、N中にはそぐわないなと思っていた。

 その次は二時間連続で美術だった。屋上の武道場が出来る前は風景画を描いたが、そのときに岡部が幼稚園の女の子をスケッチしていたのは有名な話である。栄作は東にそびえる足立山と高層マンションを描いた。今は彫刻で栄作は毎日利用している国鉄の電車の走る姿を作ることにした。

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