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2013年9月29日 (日)

ロンゲストマーチ(29)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 栄作の乗った小倉行きの電車は城野駅を出るとしばらく真っ直ぐに進んだ。中体連の最後の試合は団体の次鋒として出場し、あと一歩で市大会出場を逃した。岡部が個人で市大会に出場したものの、一回戦で敗れた。引退後はK高校目指して受験勉強にいそしむ毎日である。9月からは月一回行われるF社の高校受験実力テストに参加していた。

 制服で会場に来るようにとはなっていたものの、N中から行く者は私服だった。十月になって岡部が「本番では制服だから」という理由で目立つデザインなのも気にせずに会場のQ工業高校に行った。栄作も勇気を出して十一月は紺にボタン七個の上着に身を包んだ。鞄は白の肩掛け鞄ではなく、ブルーの補助バッグである。

 電車は右にカーブしてN中の前から有料道路の紫川インターに向かう道路の下をくぐった。正確には道路が踏み切りなしにするために線路をまたいだ。左にカーブして紫川を渡ると南小倉駅である。ここから昔は陸軍の山田弾薬庫に向かう引込み線があった。この駅はW高校の最寄駅で栄作は県立第二志望はここにしていた。

 南小倉を出ると線路は右にカーブして上を路面電車の走る通りがまたいだ。左には国鉄の小倉工場が広がり、ここで電車や機関車の整備が行われていた。工場を通り過ぎると道路と路面電車が頭上をかすめた。この路面電車はK高校やQ工業高校の近くを通っていた。線路はまた右にカーブして西小倉駅に到着である。

 元々は西小倉駅が小倉駅だったが、二十年以上前に東へ七百メートル移動した。新幹線の駅もそちらに作られ、西小倉駅は鹿児島・日豊両線のうち日豊線だけホームが残るという状態だった。栄作は定期券の乗り越し精算をして大門の電停に向かった。ここは黒崎・折尾方面と戸畑方面に分かれていた。

 戸畑行きの電車は一両編成で栄作と同じくQ工業高校で行われる模擬試験に行く者でいっぱいだった。視線を感じはしたが、栄作は堂々とつり革を手にして左側の景色に視線を向けた。国鉄の線路をまたいだあとは坂を下って緑色の都市高速の高架をくぐり、K高校の正門と校舎をちらりと見て日明の停留所に滑り込んだ。

 

 

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