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2013年9月27日 (金)

ロンゲストマーチ(27)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 T中との先鋒戦は両者ともに有効打なしで終わった。栄作はまず面から入り、次は小手・胴を仕掛けた。相手の胴を捉えた感触はあったものの、旗は上がらず、栄作の右足がラインをはみ出したということで反則一回を取られた。終了間際には引き胴で相手の水色の胴が音をたてたが、これも一本にならず、また場外にオーバーランして相手に一本が与えられた。

 大塚は激しい攻めで相手を圧倒し、面を防ごうとして空いた胴に鋭く切り込んで一本勝ちを納めた。斎藤は勝ち星を上げようと積極的に仕掛けていたが、面返し胴で一本負けを喫した。岡部は相手が守りに入っているのを感じて攻め崩すために前後左右に展開した。左足を前方に出してスッと回り込んだとき向こうの手元が浮いた。次の瞬間岡部は相手の胴を派手な音を立てて打ちぬいて反対側にすり抜けた。

 勝者数・本数ともに同じ状態なので、もう一本取りに行ったら出小手を取られた。そのまま時間が来て本数差で相手の勝ちである。「勝つのは難しいなぁ」と面を脱いだ岡部が悔しそうに言った。それから更衣室に行って制服に着替えた。福原の父が審判を終えるまでは帰るのは無理だった。大塚も決勝まで会場に残ることを決めた。

 女子はT中が優勝し、男子の決勝はT中とM道場の戦いになった。大塚のいた道場はベスト8である。先鋒から中堅までは互いに一本もない引き分けが続いた。副将でT中側が小手抜き面を決め、大将も有効なしの引き分けで決着した。引き胴が何本かあったが、旗が重いなと栄作は思った。

「山口の審判って引き技取らないのかな」

 栄作は小声で岡部に言った。福原や斎藤も相手に引き胴を何本も浴びせていた。

「俺もそう思った。中田が打ったのは一本だと思ったけど」

「岡部が一回戦取ったのも一人が上げてそのあとバラバラだったなぁ」

 大塚も相槌を打った。それから新下関駅に向かうバスの停留所のほうに歩き始めた。

 

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