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2013年9月 2日 (月)

ロンゲストマーチ(2)

前回までの内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください m(_ _)m

 栄作が手を洗っていると三番でファーストの者が入ってきた。「スタンドからベンチに移動するよ」と彼は言うと一番手前の個室に入ってドアを閉めた。ベルトを外す音に栄作は聞き耳を立てた。個室の仕切りの下は五センチ程度開いていて床に顔を近づければ見えそうな感じである。

 栄作はそのままトイレを出てスタンドに戻った。ベンチはファイターズが一塁側と決まっていてイーグルスは三塁側である。監督から「先攻め」になったと告げられた。グランドではS製鉄のチームの練習が終わってファイターズの選手たちが試合前の練習を始めた。外野のスタンドは芝生でスコアボードに先攻S、後攻Kの文字が入れられた。 

 マウンドに立ってみると普通のグランドと違って自分が一回り大きくなったような気分だった。上から投げ下ろすという点でボールにも勢いがつく感じだった。バントやピッチャーゴロを想定したノックも受けてあとは内外野の守備を見た。スタンドまで飛ばすのは小学生では難しいが、野手の間を抜ければランニングホームランは確実である。

 センターのはるか後方には標高六百メートルの皿倉山がそびえ、山頂に向かうケーブルカーが見えた。頂上にはテレビ中継のアンテナが何本もあるため、帆柱山という別名がついていた。球場より少し高いところを有料道路が走っていて関門橋を通じて山口県につながっていた。

 試合開始は10時だった。ファイターズの投手は170センチを超える長身で、長い腕から投げ込まれる球の速度は100キロは十分にあった。先頭打者はフルカウントまで持って行ったが、最後はボール気味の球を空振りした。二番バッターはストライクを取りにきたのを三遊間に転がした。ショートからの送球が少しそれて内野安打となった。

 三番には送りバントの指示が出た。ピッチャーの正面に転がって振り向き様に二塁に投げられ、ツーアウト一塁になってしまった。タイミング的にはギリギリなのにと栄作は思ったが、思い切ったバント処理に驚いた。四番はツーボールからストライクを取りにきたのを強振したが、ファーストへのファウルフライだった。

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