枯れた街(24)
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運輸省の庁舎内で便意がどうしようもなくなったので、個室に入った。三つ並んだ一番手前はスクワットのタイプである。ガスが派手に出てそれからわずかな塊だけだった。小用のほうに二人連れが入ってきて震災で途切れた鉄道の復旧の話をしているのが聞こえた。どうやら四月にはつながるという見通しのようだった。閉まっているドアの中に誰がいるのか気にしていないような話題である。
通用口を出ると地下鉄丸の内線の霞ヶ関駅へは坂を少し下った。定期券は小岩と秋葉原で十一キロ、十五キロまでの区間なら料金が同じため、有楽町まで総務は購入していた。交通費の精算は「淡路町⇔霞ヶ関」ではなく「淡路町→霞ヶ関」「霞ヶ関→東京」ということにした。丸の内線で東京で乗り換えるとそのまま地下に降りて総武線に乗り込んだ。
新小岩で各駅停車に乗り換えるのはタイミングでいつも同時に到着したのには乗り継げなかった。御茶ノ水だと快速と普通は同じホームだが、こちらは改組供養、普通用と別々になっていた。亀戸・平井・小岩は普通用だけのホームしかなく、通過列車はこれみよがしにトップスピードで通り過ぎた。
小岩に着くと駅前の牛丼屋に入った。牛丼に卵、味噌汁とサラダのセットを券売機で購入し、カウンター席に座った。調子は少しずつ回復しつつあったが、もしかしたら牡蠣は駄目かもしれないなと思った。カキフライはもちろんだが、社員食堂で時折出てくる牛肉のオイスター炒めというのも避けないといけなかった。
コンビニエンスストアではクリームパンと缶コーヒーを買った。イトーヨーカドーが閉店するとコンビには駅の北側の大通りに面したところに行った。この通りは線路沿いに平行していて新小岩と平井の間の長い橋も一緒である。もしも地震でJRが動かなくなったら・・・一度職場と自宅を歩いてみないといけないかなと思った。新聞でも「帰宅難民対策が必要」というような記事が出ていた。
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