その先へ飛ぶこと(24)
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物流学会の関東部会は市ヶ谷にある私立学校共済組合の建物で行われた。ここではR大学に行った研究所のOBとも顔を合わせた。部会ではW大の院生が「ディーゼル規制問題」R大の院生が「中国の鉄道貨物の現状と課題」という発表をした。R大の院生は上海出身の留学生である。
ディーゼルのほうは東京都によるもので大きく取り上げられていた。院生があまりに事業者の立場を考えていないのにR大に言ったOBが「トラック事業者の状況にも注意を払って欲しい」という旨でコメントした。トモヒロは中国の鉄道に関してコンテナ輸送がどうなっているかということを問いただした。
関東部会長からはトモヒロの論文が年報に採用となったことの伝達と「アジアの物流体系」に研究の方向を進めてはという示唆があった。部会が終わったのは午後四時で、それから羽田空港に向かった。浜松町までは神奈川の大学に行ったOBと一緒だった。
「またこっちの大学に来るというのは考えているの」
「九州に戻ってたぶん・・・」
「あるいは大陸のほうに渡るということも考えたほうがいいかもねぇ」
「日本だけじゃ、先行きが厳しいですね」
「うん、留学生で定員を埋めようとして失敗したところもあるし」
羽田に着いたのは午後五時半である。浜松町のチェックイン機で左の窓側を指定した。東京周辺の大学に戻るという言葉が心の底に引っかかったが、一体どうなるかは予想できなかった。
ここで終了いたします
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