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2013年7月 2日 (火)

その先へ飛ぶこと(21)

前回までの 内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧くださいm(_ _)m

 トモヒロの乗った747は福岡空港の滑走路の南端に向かってタキシングしていた。三月半ばの金曜日、「研修願」を出して東京に出るところだった。研究所のOBの親睦団体が出来てその初会合に出ること、土曜日には物流学会の関東部会というのが用事である。

 朝10時に出発する便なので、三列並んだシートは真ん中が空いている状態だった。左の窓側をリクエストしたのは富士を見る可能性に賭けるためだった。福岡の天気は晴れだが、東京は曇りとなっていた。研究所時代に福岡から羽田に飛ぶのはいつも夕方から夜で富士を空から見たことはなかった。学会で上京したときも富士は雲の下だった。

 北向きに離陸した747はすぐに右旋回した。久留米の上空で左に旋回して国東半島、松山上空、和歌山上空からは大阪湾一帯がくっきり見えた。トモヒロはイヤホーンでクラシックを聞き、機内誌のページをめくった。

 駿河湾の東には雲が広がっていたが、ヨーグルトムースのような富士の姿は見ることができた。機内放送でも「富士が見えます」と伝えられ、ちょうど真横に見えるところから降下が始まった。

 雲がみるみるうちに迫ってきて、日差しを受けた機体の陰が雲に写り、周りには虹のような後光が輝いた。既にシートベルト着用の指示が出ていて、揺れに注意と放送された。雲の中に突っ込むと機体は上下左右に揺れた。

 雲の下に出ると海が広がっていた。遠くに横浜の街が見え、機内は張り詰めた雰囲気になった。陸側の滑走路に下りてターミナルビルにはすぐにたどり着いた。到着口のすぐ外にあるフードコートでカレーを食べ、モノレールで浜松町に向かった。航空券・ホテルにJRや地下鉄のフリーパスがセットになっていたので、東京駅で降りて八重洲のブックセンターを覗いた。

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