下り坂(152)
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「アベノミクスの恩恵は受けているかぃ」
中田の問いに哲也は言葉を濁した。国際線のファーストやビジネスの埋まり具合はよくなってきたが、自分の給料に反映するかは全く不透明である。不動産投資信託の配当も特に増えたとは言えなかった。
「最初、日銀にお札をドンドン刷らせると言った時は、ハイパーインフレになるぞと思ったよ」
「よく分からないけど、結局は正しかったのはホワイトリバー先輩だったということになるのかもね」
「憲法だって危ないよなぁ。何か有名な憲法学者知らなかったって。それは経済学部でケインズ知っているかと聞かれて、オーストラリアの観光地ならと言う様な。ところで安倍総理の顔ってビーバーに似てないとうちの女子社員が言っていたけど」
「うぅん、まあ長州人はビーバーから進化したんじゃないかという顔の人多いけど・・・。お爺ちゃんビーバーは東大始まって以来の秀才、お父さんビーバーも東大で、剣道六段。長身からの豪快な面が持ち味だったんだって」
「遺伝したのは背が高いのだけみたいやな」
「大阪市長が風俗の活用勧めたというのもねぇ。これで維新終わったな」
「長州人は維新という言葉軽々に使うなと思っているかも・・・」
「選挙に出ようとか思っている奴いるかなぁ」
野球部の井原の父は市会議員だったが、本人は今も銀行勤めのようだった。一年のときに同じクラスにいた者の父が公明党の国会議員だったが、こちらも製鉄所に就職してその後の動向は不明である。
「さあ、国土交通省にいて北九州市長を目指すならまだしも一議員というのもねぇ」
高校の同期で国の役所に入った者は総務省に二人、国土交通省に一人である。国土交通省の者はQ大学で航空工学を専攻していた。
「T高出身で外務省にいたのに民主党から議員になったばかりに今は浪人という人もいるねぇ」
「だから維新みたいに議員削減なんて言っている所から出るのは完全に捨石だよ」
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