枯れた街(12)
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A空輸の格納庫は全長70メートル、幅60メートル、高さ20メートルの747が二機並んで入れるほどの大きさがあった。ちょうど古いタイプの747が整備を受けている状態で、エンジンのカバーが開いていたりした。古い747と新しい747の違いは概観が二階部分の長さくらいだが、操縦席は古いほうがアナログ計器がずらりとならんで航空機関士の席もあるのに対し、新しいほうは計器がデジタル画面に変わって航空機関士もコンピュータに置き換えられていた。さらに主翼の先端が新しい747では上に折り曲げられて空気抵抗を小さくすると言われていたが、国内用はそのようになっていなかった。
古いタイプの747は最初のものが導入されて十五年たっており、貨物機に改造するという話が出ていた。コックピットを二階にしているのも元々は貨物機として胴体前方を開いて出し入れするというアイデアからである。機首に近いところにはタイヤ二本のノーズギアがあり、主翼の周辺にはタイヤ四本のメインギアが四つついていた。計二十本のタイヤが支える機体の重量は何もない状態で190トン、国内線は乗客や燃料を積んで272トン、国際線でニューヨークやロンドンまで飛ぶ場合は394トンだそうである。着陸するときの重量は国内・国際ともに250トンである。
離陸するときに必要な滑走路の長さは、国内用で1800メートル、国際の長距離だと3300メートルに達した。もっともこれは滑走中にエンジンがトラブルを起こして中止する場合で、実際は羽田でも3000メートル滑走路の半分くらいで宙に舞い上がるし、着陸のときは2200メートルあればよかった。西日本の空港はおおむね3000メートルになっているが、東日本は2000メートルというところが多かった。
整備場の見学が終わると会社まで戻るバスに乗り込んだが、都内は渋滞するので希望する人は品川駅で降りて電車に乗ってくださいと案内された。三連休も出るから会社には立ち寄らずに戻ろうと思って品川で降り、総武線に乗り入れる快速に乗り込んだ。マリンブルーとクリームのツートンカラーが横須賀と総武の電車の色だが、新しい車両が入ってきてステンレスにマリンブルーとクリームの帯を入れたものになっていた。ドアも三つではなく四つアリ、走りは軽やかな感じだった。
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