下り坂(151)
前回までの 内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧くださいm(_ _)m
6月の第二土曜日がK高同窓会の関東部会で、哲也は顔を出すことにした。夜はS剣友会の稽古だが、夏場は億劫になりつつあった。中田は来ていたが、そのほかの同期はいなかった。幹事を務める期には東京電力に就職した者もいたが、やはり来れる環境にはないということだった。
「久しぶり、787で大変みたいだったなぁ」
哲也は苦笑した。導入決定に関わった機体か納入の大幅遅延の上に、大事故寸前のトラブルで運航停止、六月から復帰したものの、まだ不安定という状態だった。
「リチウムイオン電池を使うとまでは思わなかったよ」
「飛行機にとっては危険物なのにねぇ」
「ATR72はどうなんだ」
「福岡にベースを作る会社とのリース契約が成立したよ」
成田や関西と福岡を結ぶ格安航空が次々に入っていたが、福岡を中心にマタ新しい会社が作られようとしていた。70人程度のプロペラ機ならばローカル中心の営業になりそうである。福岡と高知・松山・徳島は有望だった。
「そういえば、もう高校受験くらいじゃないの」
「N大付属中だけど、そのまま高校になりそう」
それは両国駅の近くにあった。すぐ近くには春の選抜高校野球に出場したY学園、都立では芥川龍之介の母校のR高校があた。
「剣道は続けているの」
「中学のキャプテンやっている。そういえばテツに掛からせないとなぁ」
「高校生になったら、胴に返す前に頭削られるからなぁ」
今年の幹事は十四期下になるが、剣道部の者は小倉や関西のようである。ブログを見ていると幼稚園児になった子供にもう剣道をやらせ出したりしていた。もしかしたら本人はサッカーをしたいと思っているのかもしれなかった。日本がワールドカップ出場を決めてまたまたサッカー熱が高まりそうな感じである。
| 固定リンク
コメント