その先へ飛ぶこと(14)
前回までの 内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧くださいm(_ _)m
妻の実家での夕食は肥後牛のサイコロステーキだった。最初はビールであとは焼酎というのが定番である。
「N大学は学生集まっているのかね」
「この前のオープンキャンパスは五百人くらい来てもらえました」
それは栄養学部も含めてで、流通科学となると100人前後という感じである。S大学やF大学に比べるとどうしてもブランドに差があった。
「K学園大には関係するものあるのかな」
「今のところは」
トモヒロは言葉を濁した。交通関係は元運輸省だった人が担当していた。この人が七十歳の定年になるにはマダ十五年は先の話である。
「八代から鹿児島まで新幹線が出来るけど。博多と八代はいつつながるかねぇ」
「早くても十年はかかるでしょう」
八代と鹿児島はトンネルが多いということで先に着工されたが、本当は熊本で打ち切りにさせないための策だろうと義父は言っていた。新しい区間はレール幅を在来のままにして「つばめ」を載せ替えるという案に対して「もう一度西南戦争起こしてやる」と息巻いた政治家もいた。
「博多と熊本に新幹線が出来たらこっちから通えるかな」
「通勤定期のほうが割安になるなら」
博多と熊本ならば新幹線で30分、東京なら熱海や高崎、宇都宮からという感覚である。もっとも博多で降りてからバスが直行しているものの、計画されている地下鉄は天神止まりでしかも乗換えが大変と聞いた。
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