大阪感情線物語(25)
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淀川の鉄橋を渡り終えた梅田行きの急行は中津駅を過ぎたところで停止した。神戸方面に向かう電車が右横を通過して梅田駅に滑り込んだ。Мはループの外回りに乗ることにした。桜に包まれた大阪城の姿を見る三回目の春である。オレンジ色の電車には白いJRマークが入ったが、二つの文字を合成したマークには変な感じがした。
天王寺で乗り換えた水色の電車にも白のJRマークがついた。杉本町の駅で降りると南側の踏み切りのほうに歩いた。正門をくぐって時計台のある一号館北東に法学部の事務室があった。ここの入り口にある休講掲示板をチェックするのが大学に来て最初にすることである。
教養の単位は全て揃えることができた。英語は二つとも優、中国語は優と可、可はやはり厳しい先生のものだった。人文と社会も優でクリアして、自然は可だった。体育も優、憲法は優だったが、民法の総則が良、物権は可、刑法総論も可である。Mは司法試験は厳しいと思って公務員試験の勉強に力を入れることにした。
ゼミは憲法に決まった。今村は民法加藤ゼミで、木下さんも憲法である。憲法ゼミは三・四年別々で水曜日の午後に行われた。ゼミは三年だけで十二人、うち三人が女子である。加藤ゼミも三年生は12人だった。マンツーマンというゼミもあったが、ほぼ全員が希望するところに入れた。
月曜日は日本政治史、行政法、経済学部の銀行論、刑事訴訟法を入れた。火曜日は大阪市の各部局からオムニバス方式で講師が来る都市行政論、民法の債権・親族相続、英米法、日本法制史。水曜日の午前はヨーロッパ政治史。木曜日は政治学、経済学部の中国経済論、国際法、経済学部のアメリカ経済論。金曜日は商法と刑法各論を入れた。集中講義はソ連法と比較政治学ですべて取れたら72単位、四年ではゼミだけ取れば卒業単位が揃うという計算だった。
ヨーロッパ政治史の先生は15分くらい遅れて授業を始めた。先生が来る前にМは大学まで我慢していた排便に行った。一号館二階の西側のトイレは四つ並んだ個室は窓側の二つが男子用、廊下側二つが女子用となって間が仕切られていた。
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