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2013年5月 5日 (日)

下り坂(150)

前回までの 内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧くださいm(_ _)m

 日曜日の朝は八時に目覚めた。十時から正午までが連盟の稽古だが、早めに切り上げて午後一時半から品川のホテルで行われる披露宴に行くという段取りである。連盟稽古のある体育館は昔と変わらないが手洗いは改装されていた。三つある個室は全てスクワットタイプだったのが、二つは洋式にされた。

 便通のリズムが体育館に来てからとなって、哲也はスクワットの所に入った。やはり排泄物の状態を見て健康チェックをするにはこれが一番である。しかし、立ち上がるときに足がしびれているのを感じた。剣道のはじめと終わりの礼もこのような動作になるのだが、年配になるとぎこちなくなっているのが不安だった。

 六段以上が元の側に座り、哲也は下座の左に近い側だった。五段に合格した人が右から左に移っていくのも哲也はもう気にしなくなった。なぜか五段の人はまだいなくて哲也が始まりの号令をかけた。面を着けるとき哲也は右隣に「今日は用が会って十一時過ぎに出ますので」と伝えた。

 六段以上は七人、四段以下が二十人、うち十人が中学生である。七段の一番上の先生は肩を痛めて見るだけとなっていた。それで哲也もしばらくは中学生の元に立つ形となった。五段の銀行員が二十分くらいして現れ、七段の先生も三人来た。四段以下の一般も五人加わって、先生に並ぶタイミングが取れるかなと思いながら哲也は様子を見ていた。

 中学生全員と二段の大学生を相手してから哲也は元を降りた。六段以上の九人の先生には三人ずつという勘定だが、一部先生同士ともなっていたり、さらに五段の人が二人来たりとなっていた。哲也は並ぶのを断念して面を外すと更衣室に移動した。

「おや、もう切り上げですか」

 更衣室に入るとS剣友会の六段の人がいた。十一月には七段に挑戦するということで、毎日のようにどこかで稽古しているそうである。

「昼から予定が入っているので」

「お忙しいみたいですね」

 さらに二人入ってきた。こちらは大学生でハシゴのようである。そうやって剣道漬けしていた頃が懐かしいと哲也は思ったが、もう後に戻ることはないだろうと自分に言い聞かせた。

 

 ここで終了といたします マタ別の作品を・・・

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