大阪感情線物語(23)
前回までの 内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧くださいm(_ _)m
「そういえば・・・Aクラスの木下さんがどこのゼミに志望出すのか。情報戦が展開されているみたいだねぇ」
隣のレーンからそんな会話が飛び込んだ。女子のいるゼミ、いないゼミと色々な情報もあるが、女子のいないゼミが多数だった。女子の希望が多いのは民法の加藤ゼミ、政治学ゼミ、憲法ゼミだそうである。Мの判断もそこにあった。
「民法か憲法あたりじゃないのかなぁ」
「憲法は彼女の出身高校の大先輩が昔担当してたみたいだね」
「今の先生は違うけど」
法学部の創立記念で講演した元大阪府知事は憲法の担当教授から知事に転身した。左翼ということで、Мは少し異論もあったが、「アメリカに不都合な政治家はつぶされる。その典型が田中角栄だった」というのは妙に納得した。今村は少し右翼の傾向があってМも次第にその影響を受けつつあった。
2回目はストライク一つにスペア一つで112にスコアが伸びた。他の三人も101、118、109である。三回目もやるということになったが、Мのスコアは108に落ちた。他の三人は124、106、115である。最高のスコアを出した者は183、アベレージでは157がトップだった。逆に最低スコアが54で、アベレージだと78である。
大会の表彰を終えると食事の場所に移動した。大阪球場の西にあるところでボウリング参加者の一部がここで帰宅した。Мも翌日の相談部が控えているので、食事が済んだら神戸に戻るつもりである。
「ゼミをどうするかは悩むよなぁ」
同じテーブルになった者とマダその話が続いた。ここは中華で丸テーブルだった。四川料理でまずはビールで乾杯だった。
「他の学部だとどうなんだろ」
「経済学部は交通経済論が人気ナンバーワンだって」
交通経済論は単位が取りやすいというのが相談部でも聞いていた。他学部の単位は二十単位まで受けることが可能であるが、交通経済論はその一つである。しかし三年生で取るのはやはり法学部が優先だった。
| 固定リンク
コメント