大阪感情線物語(18)
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梅雨が明けた空から烈しい日差しが降り注いでいる。阪急梅田駅に着いた電車の中央に乗っていたМは、国鉄のガードに沿った歩道橋を渡って大阪駅の東口に下りた。日曜日の朝ということもあって人通りは少なかった。天王寺にある予備校で大学入試の模擬試験の試験監督をするアルバイトがあり、Mにとってはここで十五回目だった。
一回生の単位は英語・中国語は全て優、体育や保健も優だった。人文、社会、自然は必要単位の三分の二が得られたが、人文と社会は優一つに良三つ、自然は二つとも可である。法学部の基礎となる法学入門は良だった。相談部の者の大半が優だったのでこれは不味いなと思った。
新年度が始まって二回生は教養部の芝生に勧誘の机を出した。隣が偶然剣道部で、どうなったか気になったが、三大学戦は助っ人を求める必要はなくなったようである。Mも素振りだけ続けるという生活に戻っていた。一回生は七人入り、男五人、女二人という状況である。
二回生になると法学部の科目は憲法、民法、刑法が取れるようになった。人文・社会・自然は余裕を持たせるために二コマずつ入れた。英語と中国語という組み合わせは変わりないが、中国語の先生の一人は厳しいということが伝わって戦々恐々という状態である。民法も前期と後期で別々の先生だが、前期のほうは厳しいと聞いた。
六月に行われた法学部のソフトボール大会は二年Cにキャッチャーとして出場した。打順は七番に下げてもらったが、一年Bに初戦で敗退した。Мの打撃成績はショートゴロ、センターフライ、ファーストエラーでの出塁である。優勝したのは一年Bだった。
Мは久しぶりに外回りで天王寺に向かった。京橋のツインタワー、大阪城の天守閣、最高でも60キロでゆったりと進むと天王寺に滑り込んだ。
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