大阪感情線物語(6)
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Мたちのチームが先攻となり、ワンアウト二・三塁で打順が回ってきた。Мは少し高めをひきつけて思い切り振ったら左中間に鋭いライナーが飛んだ。ボールが点々と転がるうちにホームまで一気に走った。そのあとも一人出たが追加点はならなかった。
一回裏はМのところにもゴロが来たが、一塁への送球もヘマをしないで済んだ。二回表はツーアウト満塁でМの打席になった。今度は外側に来たのを右中間に飛ばした。本塁突入は自重して三塁で止まり、点差は四点に広がった。次のバッターがセンター前に落としたのでМはホームに駆け込んだ。
2回裏はランナーを出したものの、三塁ファウルフライで切り抜けた。三回表はМの前で攻撃が終わり、三回裏は一点を返された。三度目の打席は三塁線ぎりぎりにゴロとなった。送球がそれてМは二塁まで進んだ。それからセカンドゴロで三塁に行き、センターへのフライでホームに突入した。
4回裏は三者凡退、5回表も三者凡退になって5回裏はツーアウト満塁のピンチになったが、最後のバッターは空振り三振で試合が終わった。
「すごい打球だったけど、何か運動部だったの」
終わりの礼のあと、Мの前にいた者が尋ねてきた。Мが剣道ですと応えると「K高じゃないよね」と聞かれた。
「あれぇ、どこに隠れているかと思ったら・・・大学ではやらないの」
Мは木刀での素振りはやっているものの、もう夏の灼熱地獄や冬の冷たい床での恵子はこりごりと思っていた。
「彼、法律相談部だよ」
部の四年生が入ってきた。民法ゼミの先生は相談部の顧問でもあった。
「スイングみていたらヤッパリ棒状のもの振るのが得意なのかなと思ったので」
次の相手は二年生のAチームに決まった。その前に生協の食堂でラーメンを食べてエネルギーを補給した。
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