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2013年5月 5日 (日)

大阪感情線物語(2)

前回までの 内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧くださいm(_ _)m

 

 大阪駅の南口には二十七階建ての高層ビルがあって十四階までがD百貨店、その上にステーションホテル、二十七階には展望室があった。南口寄りには天王寺とのループ線があって、内回りにするか外回りにするかは気分次第だった。今村の母校は大阪からは外回りに乗るほうが便利で、こちらは大阪城を見ることができた。桜の咲く頃はこちらを通っていたが、京橋や鶴橋は私鉄との乗り換えもあって乗降客が多かった。

 

 これに対して大阪から天王寺への内回りは利用客が比較的少なくて所要時間はわずかに短かった。さらに天王寺を起点に内回りで大阪に向かい、大阪からは快速となって奈良へ向かう電車があった。ループ線だけの電車はオレンジ色の八両だが、こちらは白にオレンジのラインを入れた六両である。快速はさらに所要時間は短いものの、天王寺で阪和線に乗り換えるときにホームが少し離れてしまうのが難点だった。

 

 どちらに乗るにせよ天王寺での乗換えを考えると大阪駅では東側になるほうが便利だった。それは天王寺の阪和線が行き止まりのホームになっていて、大学の最寄り駅である杉本町の改札は天王寺寄りにしかないからである。天王寺ではループ線、奈良と結ぶ関西本線いずれも上町台地を切り通したところにあったが、阪和線は一段高くなっていて乗り換えは階段を上り下りする必要があった。

 

 内回りで天王寺に着いたМは四両編成の普通の最後尾に乗り込んだ。時刻は八時十五分で、大学の授業開始が八時50分である。車内は学生で満杯だった。阪和線の電車は水色だが、快速は白に水色のラインである。区間快速というのもあってこれも水色だった。快速と区間快速は杉本町より二駅先の堺市まで止まらなかった。

 

 杉本町駅までは約十分で着いた。この駅は普通が特急や快速を退避するために二本のホームの両側に線路があった。キャンパスは駅の東側だが、改札があるのは西側の一箇所だけである。駅の南北には踏切があってどちらもラッシュ時間帯には一時間のうち五十分は閉まっている状態だった。跨線橋を渡って改札につくと乗ってきた普通を追い抜く電車が通過した。

 

 Мは駅の北側の踏み切りを渡った。杉本町駅の東には関西本線に通じる単線の貨物線があって駅の南で阪和線に合流した。こちらは昼間に貨物列車が一本通るかどうかだった。駅の東は理系キャンパス、理系キャンパスの南が文系キャンパス、理系の東には教養部があり、教養部の東には大阪市営地下鉄の車庫があった。地下鉄の終点が車庫から五百メートルほど北にあり、こちらを利用する学生もそれなりにいたが、主流派は阪和線利用だった。

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