軍艦のある丘(12)
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日曜日の食堂での昼食は正午から午後一時の間だった。テレビを見て食堂に下り、食べ終わると小田原の海を見に行くことにした。丘のすぐ下を走る御殿場線は一時間に一本の運転である。小田急の新松田駅までは四キロくらい離れているが、御殿場線の上大井なら千五百メートルくらいだった。
寮の前の道を一キロほど下っていくと二車線の細い道に出た。小田原に向かう道は御殿場線を乗り越す形だが、こちらは御殿場線に沿って国府津へ通じていた。上大井の駅前広場には理髪店があってここを利用していた。大学時代の生協の床屋は千五百円だが、こちらは3000円もした。
上大井駅は木造の平屋の駅舎である。券売機ではオレンジカードを使って切符を買った。改札口にはヒョウタンがぶら下がっていてこの駅の名物だと聞いた。改札口を通ると五段くらいの階段でホームに出た。反対側のホームには階段で線路に下りて渡る形だが、多くの列車は駅舎側に止まるようになっていた。
ホームは十五両くらい止まれそうな長さだが、入ってきたのは三両編成である。窓の部分がオレンジであとはグリーンという塗装は東海道と同じだった。座席は埋まっていて運転席のすぐ後ろに立った。御殿場線が昔は東海道本線で、ルートが代わってから複線が単線になった。確かに線路の横にはもう一本敷けるスペースがあり、小さな川を渡るときは橋桁の跡が確認できた。
国府津の駅で快速に乗り換えた。こちらはステンレスにグリーンとオレンジのラインを入れた新型で、二両あるグリーンのうち一両が二階建てになっていた。ワインレッドのシートに空きがあったので、海側に腰を下ろした。国府津駅は波打ち際より一段高くなっていて海岸を西湘バイパスが走っていた。
小田原で降りると海岸に通じる道を歩いた。初めて小田原に来たときは駅からすぐの小田原城に行った。天守閣から見る相模湾は絶景だった。小田原には大きなデパートはなく、駅前の物産館では「かまぼこ」が売られていた。
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