下り坂(134)
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「それで、小倉まで帰るのはテツなら飛行機だよね」
中田の問いに哲也は「新幹線にしたこともあったけど」と応じた。500系はワクワクさせてくれたが、700系はそうでもなかった。S航空は提携したこともあって革張りシートに腰を落ち着けたりした。
「ETCで休日千円なら車で帰ったほうがいいかなと思ったりもしているよ」
「おや、東京なのに車持っているんか」
「カーシェアリングだけどね・・・車で九州まで帰ったりしている人も結構いるみたい」
「JRや航空会社は客を逃しているということだなぁ」
東日本高速道路の者が口をはさんだ。彼は完全に関東の人間になっていて九州とのつながりはこの同窓会だけだった。
「ガソリンがメチャ高くなったり、税金の廃止をしたりだけど、トータルなコストだと車のほうが家族持ちには安いかもしれない。その辺を航空会社は考えたほうがいいかもね」
「確かに小倉でも関東のナンバーを結構見たりするんだよなぁ。逆はないけど」
「東京で運転してたらどこででも・・・だろな。地方からこっちに来るのは怖いかもしれない」
「山口の空港はデカイ駐車場が無料でここに置いて飛行機に乗っているみたいだった」
総会が終わると二次会の会場に移動である。同期生は新橋へと向かった。
「そうそう。うちの長男、習い事で剣道してるよ」と中田は言った。
「へぇぇ。どこの道場」
「日本橋にある。隅田川べりのタワーマンションには結構子育て世代がいるんだよ」
「で、もう何年生なんだ」
「五年。さて中学受験どうしようかなあと」
そういう話題になると哲也は蚊帳の外だった。東日本高速道路のところはもう高校生になっていて東大に合格者が大勢いるA高校だが、そこに合格する見込みは小さいとこぼしていた。
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