軍艦のある丘(13)
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かまぼこ工場の並んだ路地を進むと西湘バイパスに突き当たった。コンクリートの壁で海岸と街を隔てる形で作られているが、小さなトンネルで砂浜へ抜けることができた。大人は少しかがまないといけないほど天井が低く、傾斜もあって入り口から海面が見えるほどだった。砂浜もかなり急な傾斜で「遊泳禁止」の注意がバイパスの壁に貼られていた。
目の前に広がる相模湾の波はかなり強く押し寄せてひいていた。たぶんすぐに深くなってしまうような感じである。テトラポットにもたれて海を見ていると漁船がすぐ前を横切った。風は強く、冬にここへ来るのは止めておいたほうがいいかなと思った。車を持たないおかげて貯金もかなり出来てきたが、車の維持費とタクシーとどちらがいいのかと思ったりした。
海岸を離れて小田原城の堀端を歩いて駅に戻った。小田原支社は線路のそばにあるライトブルーの建物にあった。ここと厚木、藤沢にある湘南支社は締め切りの時期になると書類を直接持ってくることもあった。
帰りも国府津経由にすることにした。電車はグリーンとオレンジの昔ながらのタイプで、一番後ろに乗った。国府津はホームの真ん中付近に跨線橋、小田原寄りに地下道となっていた。御殿場線との乗り換えは小田原行きは同じホームで乗り換えることも出来たが、基本的にはホームの移動が必要だった。
国府津では通過待ちのホームに入った。地下道から階段を上がったところで、東京に向かう特急「スーパー踊り子」が通過した。小田急のロマンスカーに対抗してシートを少し高くした新型の車両である。
帰りの電車は上大井で国府津行きと待ち合わせをするために反対側のホームに入った。すぐに改札は出ずに線路を渡ってから二本の電車が並び、発車していくところまで見送った。
寮に帰りついたのは五時過ぎである。食堂が開くまでの間にN経済新聞の記事をまとめたりした。窓から見える駐車場には少しずつ戻ってきた車が増えた。
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