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2013年3月30日 (土)

下り坂(119)

前回までの 内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧くださいm(_ _)m

「アライアンスでもA空輸さんには南米・オセアニアはネットワークがないようですね。それとアフリカも将来的には視野を広げる必要があると思います。航続距離が1万5000キロになるということでしたら南アフリカまでもカバーできることになりますね」

 N大の先生はそう言って切り上げた。次に質問してきたのはN通運の航空事業部所属の人だった。貨物に関してはどのように考えているのかということである。

「767ですとLD3コンテナの搭載に問題がありますが、7X7は胴体を太く設計するということで747と同じく30個のLD30は搭載できることを求めています」

 その次はT機器の人だった。ラバトリーはどうなるのかというのは水周り関係らしい問いである。

「777の導入の際は当社より便座が静かに下りるようにという設計を求めましたが、7X7では温水洗浄ということも検討しています。ラバトリーについてはエアラインごとの仕様ということになります」

 W大の院生が「スカイドリームの時間帯だけに対抗運賃として割引を拡大しているのは独占禁止法との関係でどうなのか見解をお聞きしたいです」と言った。スカイドリームが公正取引委員会に申し立てを行ったのだが、それはテーマとはかけ離れた問いである。司会は困惑した表情を見せたが哲也は「その問題は公正取引委員会が決めることであってこちらがコメントする問題ではないと考えております」と返した。

「М商事航空事業部の笠原と申します。二点お伺いします。一点目はエアバス社は超大型機の売り込みを図っておりますが、導入の対象になっているのかどうか。二点目は双発機による長距離路線をどのように考えているか。です」

「A380については、日本国内では便数を増やすことによる待ち時間の短縮効果のほうが重要と考えており、現在の747で一時間一便よりも7X7で二便というような方向です。また、国際線についても747から777にシフトさせるのが、座席の利用率や燃料コストという観点から推進の方向であります。双発機の洋上飛行制限の緩和も需要の少ない路線でより小型の機材が投入できるというメリットに期待しているところです」

 ありきたりの問答だが、大学院生の珍問を除くと無事にクリアした。質問してきた人と名刺を交換してN通運の人からは「やはり貨物部門にも」と言われ、T機器の人はK高の先輩だった。М商事はエアバスの販売代理店にもなっていてボーイングシフトを皮肉られた。

 

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