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2013年3月10日 (日)

下り坂(97)

前回までの 内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧くださいm(_ _)m

 哲也の乗った747が内陸に回りこんで福岡空港に着陸するコースに入った。左窓側にいると春日の市街地が迫ってくるスリルがあった。機体が水平になってスクリーンに空港の滑走路が写しだされた。第二ターミナルビルに向かっていると、三ヶ月前に羽田と福岡にデビューしたスカイドリームの767が見えた。

 スカイドリームの運賃がA空輸の半額ということもあって最初は様子見だった予約も同じ時間帯には影響してきた。今の立場では乗るわけに行かないし、座席が少し窮屈なのとチェックインカウンターが玄関から遠く、登場口も福岡ではそんなに差はないが、羽田ではかなり歩く場所となっていた。機体には広告料を稼ぐつもりなのかケーブルテレビ会社の宣伝が入っていた。垂直尾翼は群青色に北斗七星が描かれていた。

 地下鉄で博多駅に出ると小倉までの自由席特急券の二枚セットがあった。正規料金よりも六百円は安いので、これを選んだ。三十日の午後、そして二日の午後ならばラッシュのピークは微妙に避けられるところである。大分行きの特急はブルーの車体の新型車で座席がネズミの耳を思わせる作りだった。哲也は右の窓側に腰を下ろした。

 特急はさすがに速かった。一時間と少しかかる快速に対し、四十分で走りぬけた。たぶん高速バスを意識してなのだろうと哲也は思った。もっと速い新幹線は値段の問題だった。三百キロで走る「のぞみ」は十五分、「こだま」は二十分である。哲也が中学に入った頃、炭鉱の跡が近いという理由でスピードは百六十キロに規制され、三十五分かかっていた。高速バスは一時間二十分程度だが、天神と小倉の南エリアとなると運賃・時間ともにバスが優勢である。

 新しくなった小倉駅に下りた哲也は階段を登って改札口を出た。すぐ上の天井は丸いドームになっていて宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に出た銀河ステーションはこんな感じなのかなと思った。モノレールの駅が目の前にあって四両編成の電車が入っていた。青と白の車体にクリスマスのデザインがラッピングされていた。エスカレーターでぺデストリアンデッキに下りると以前は台座に置かれていた祇園太鼓の像が目線と同じ高さにあった。ぺデストリアンデッキをまっすぐ行くとS百貨店の二階である。

 93番のバスに乗るためにモノレールの下をくぐっていたらモノレールが発車してきた。平和通と改称された以前のモノレール小倉までわずか四百メートルである。ぺデストリアンデッキに屋根がないのが哲也には問題かなと思われた。地下街の発達した東京や大阪そして福岡は雨が降っても傘をささなくて済むからだった。

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