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2013年3月24日 (日)

下り坂(112)

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 ハウステンボス駅のホームに早春の日差しが降り注いでいる。一本だけのホームの海側には博多へ向かう特急電車が止まっていた。哲也は長崎に向かう快速「シーサイド」を待っているところである。朝九時前に羽田を飛び立つA空輸の777で長崎空港に降りた哲也は大村湾を突っ切る高速船でハウステンボスの桟橋に着いた。出迎えたスタッフの案内で園内を通ってハウステンボス駅側のホテルに向かった。

 長崎の観光の現状と課題というテーマでの研究会は三回行われて最初は長崎市、次が平戸、そして最後はハウステンボスのホテルの会議室で行われた。平戸のときは会場のホテルに泊ったが、今回は昼間の研究会に出てから長崎駅のホテルに一泊し、翌日は長崎県庁に立ち寄ってから博多に移動、福岡県庁にも立ち寄って夜に東京へ戻るという強行軍である。

 長崎に泊まるということで哲也は斎藤に電話してみた。時間が空いているということで午後七時にホテルのロビーで待ち合わせるということになった。彼の医院は県庁に近いところである。長崎は谷底にあるような街で、医院兼自宅は崖になったような場所だと中学時代に聞いていたが、今も場所は同じだった。

 快速「シーサイド」が到着した。篠栗・筑豊線が電化される前に走っていた「赤い快速」と同じタイプのディーゼルカーである。赤い車体にドアの部分だけグレーのその車両は電車並みの加速と坂でもスピードの落ちない高性能で福岡支店時代に乗ってみたときは驚いた。こちらは青い車体にドアの部分は赤となっていた。哲也は海側の席に腰を下ろした。名前のとおり列車は大村湾の海岸線に沿うように走った。

 大村駅は二両編成の列車にはもったいない長いホームである。ここが長崎空港に一番近い駅であるが、空港へのアクセスにはとても使えないため、哲也は最初の研究会のときはリムジンバスに乗った。諫早を出ていくつかのトンネルをくぐり、最後のトンネルを出ると浦上だった。行き止まりになった長崎駅は新しく建て替えられて間がなかった。路面電車の停留所には歩道橋で渡る感じだが、雨よけがないのは残念と哲也は思った。

 チェックインをして部屋に入ると窓の外は長崎港である。既に太陽は沈み、空は明るさが残っていたが、行きかう車はヘッドライトをつけていた。ロビーに下りると七時になる五分前に斎藤が現れた。N中でうるさく言われた「定刻五分前」は健在だなと哲也は思った。それはK高も同様である。斎藤の顔は昔のままだが少し太った感じがした。

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