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2013年1月 9日 (水)

下り坂(51)

前回までの 内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください

 夕食をしながらの面談が終わると、午後9時に宝塚に向かう急行に乗った。ジャストタイムと30分に京都行の特急、神戸行特急が同時に発車するタイミングである。自分の乗っている電車が先頭を行けばいい気分だが、一番遅いと癪だった。神戸行が先行し、宝塚行は二番手だった。淀川の鉄橋では一段高い京都線が追い上げてきたが、十三には最初の順位のまま滑り込んだ。

 帰宅した哲也は着替えながら留守番電話の録音を聞いた。クラブの伝達事項、H電鉄に行ったOBからの連絡、ゼミ仲間からの伝言、聞き終わると早速電話が鳴った。出てみるとD銀行のリクルーターからである。

「先ほどはつながらなかったようですが、どちらにお出かけでした」

「ゼミの関係で遅くなりました」

 哲也はS銀行との接触を隠した。相手は次の週はずっと空いているかさぐってきた。哲也は「水曜日以外なら大丈夫です」と答えた。水曜日はアルバイトで塾講師をしていた。科目は英語である。

「運輸関係を回っていると聞いたけど、そちらのほうはどんな動き」

「色々と話を聞かせていただいております」

「九州のほうは」

「戻ることは考えていません」

 H電鉄ではカードを見て、甲子園のことが出てきた。盆の帰省は無理だよと言われて「母校が出てくるのを待ちます」と答えた。ここでは高速道路が次々に出来ているので、高速バスの路線を開拓する仕事をやってみたいと言ったりした。 

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