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2012年12月27日 (木)

下り坂(38)

前回までの 内容は「文化・芸術」のカテゴリーでご覧ください

 K大学のキャンパスまでは、河原町の駅から歩いた。時計台を見て会場となるグランドに着いたのは10時前だった。競技は30メートル先の的を狙って男女それぞれ5人ずつが得点を競うやり方である。O大学は四年生が中心だが、三年生中心となっているところもあった。京都の街は夏の日差しを受けて気温がドンドン上がっていた。

「プレッシャーを高くする方法ってあるかなぁ」

 黙々と矢を放つ選手を見ながら、同期の一人が呟いた。

「的の下に総理大臣の写真を置くとか」

 哲也が応じると「わざと狙うかもしれないぞ」と相槌を打った。

「当たったらマイナスということでね」

「岡部は夏休みどうするんだ」

「盆のときに戻るけど 夜行のバスは予約取れないような感じ」

「空港に近いんだから飛行機はどうや」

「2年前に廃止になったみたい」

「大阪と小倉じゃ新幹線だもんな。フェリーとかは」

「それもあるか」

 同期は男女それぞれ4人いて、大阪が3人、兵庫と奈良と滋賀が一人ずつ、あとの一人は香川だった。香川出身の者は寮に入っていて、在来線と連絡線を乗り継ぐと言った。

 ランチは学生食堂が臨時に営業していてカレーを食べた。試合は午後2時には終わって男子はN大、女子はQ大が優勝した。O大は男子3位で女子4位である。そのまま解散という流れになって銀閣を見に行こうという話になった。

 

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